Tokyo Midtown Design Hub

リエゾンセンター・ライブラリーのブックイベント

書籍『コモンズ思考をマッピングする』刊行記念トーク「いまなぜ”コモンズ”なのか?  ー 横断的に考える“コモンズ”ー」



 

「リエゾンセンター・ライブラリー」は、東京ミッドタウン・デザインハブ内に月10日ほどオープンするデザインライブラリー。
「リエゾンセンター・ライブラリーのブックイベント」として、ライブラリーに届いたデザイン関連の新刊本の著者の方などをゲストにお迎えし、書籍やそのテーマを深掘りするオンライン・トークを開催しています。

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『コモンズ思考をマッピングする』刊行記念イベント
「いまなぜ "コモンズ" なのか? - 横断的に考えるコモンズ-」

ここ15年ほど注目されている"コモンズ"という考え方。
そもそもどの領域から生まれ、どのような経緯をへて現在に至るのか、
さまざまな時代・分野でオルタナティブとして注目されてきた「コモンズ」の思想について紐解きます。

日時:10月27日(木)19:00-20:30
参加方法:Youtubeオンライン配信
https://youtu.be/gK98Mi8FY8U ←こちらから予約なしでご視聴いただけます
参加費:無料


【ゲスト】

著者プロフィール
山本眞人 (やまもと まひと)

1947年 長野県生まれ
1971年 需要研究所入所
1995年 需要研究所代表取締役

主な著作物
1982年 『都市型中小企業の新展開』(清成忠男氏他との共著、日本経済新聞社)
1987年 「若者の考え方と行動」(総合研究開発機構『1990年代 日本の課題』第25章)
1992年 石垣市『石垣市の産業・流通・交流発展のために』フィールドワーク/報告書作成
1996年 ウェブサイト『宮沢賢治の宇宙』編集長
1999年 『インターネット共創社会---野のネットワークに向けて』(光芒社)
2011年 『宇宙卵を抱く 21世紀思考の可能性』(B・M・FT出版部)
2019年 『西表島・紅露工房シンフォニー 自然共生型暮らし・文化再生の先行モデル』(石垣昭子氏との共著 地湧社)

<刊行書籍の案内>

『コモンズ思考をマッピングする ポスト資本主義的ガバナンスへ』
発行:BMFT出版部
著者:山本眞人
定価:2,600円+税
発売:2022年8月6日
四六判・410頁
ISBN:978-4990489588

資源・環境の生態系危機、情報化・デジタル化、そこで進行している「新たなエンクロージャー」。これに対抗するさまざまなコモンズ活動が、今、起きています。

生態的コモンズ、都市的コモンズ、デジタルコモンズの先端的な活動は、E.オストロムなどコモンズ研究者とD.ボリアーたちコモンズ活動家・ジャーナリストが協力し、横断的にネットワーク化しています。

そこでの先端的な活動事例をできるだけ具体的に紹介、それらの相互関連を解読し、「新たなエンクロージャー」と「コモンズの復権」の間のヘゲモニー争いとして明らかにしています。

ラテン・アメリカを中心にした連帯経済と欧米を中心にしたフリーソフト・オープンソフト運動といった2つの代表的なコモンズ活動が2008年以降の合流し、末端からのボトムアップ的な社会改革のモデルが生まれつつあります。

本書では、こうしたコモンズ活動の動態を具体的に描き、出現しつつある「ポスト資本主義的ガバナンス」を読みとっています。

目次
序章
第1章 E・オストロムのコモンズ研究
E・オストロムのコモンズ論と庶民の自治能力
入れ子構造のガバナンス

第2章 ヴァナキュラーな領域と複雑性
ハイ・モダニズムvs 複雑性
ヴァナキュラーな領域─I・イリイチとJ・スコット
I・イリイチの学校制度批判
コンヴィヴィリアリスト宣言

第3章 過去と現在のエンクロージャー
開放耕地制とエンクロージャー
地租改正と明山、入会山の官有林化
新たなエンクロージャーとカウンター・ヘゲモニー

第4章 生態的コモンズの囲い込みとカウンター・ヘゲモニー
ポテト・パーク─アンデス先住民の伝統的文化・知識のコモンズ
種子のコモンズ
ブラジルの土地無し農民運動(MST)とアグロエコロジー
LVCの「アグロエコロジー+食料主権」路線
食料主権と社会的共通資本

第5章 都市コモンズの囲い込みとカウンター・ヘゲモニー
J・ジェイコブスとE・オストロム
P2Pアーバニズムとファベーラの自力改築

第6章 デジタル・コモンズの囲い込みとカウンター・ヘゲモニー
Commons-based Peer Productionの衝撃
プラットフォーム資本主義vs 社会的企業創出コモンズ
カタルーニャからのインテグラル革命
オープン・コーポラティヴィズムと協同的蓄積

第7章 「コモンズ+P2P」思考をマッピングする ─ポスト資本主義的ガバナンスへ
現代日本社会の課題と社会運動、抵抗闘争
ポスト資本主義的ガバナンス
ホモ・エコノミカスvs ホモ・ルーデンス

補論  グレーバー& ヴェングロー
『The Dawn of Everything』 を読む