Tokyo Midtown Design Hub

Design Ethnography-機会発見のためのデザインリサーチ-



産業系エスノグラフィにおける第一人者といわれているRich Radka氏をお招きし、エスノグラフィの哲学から、技法、効果についてレクチャーをしていただきます。

 

概要

大量生産時代から多品種少量生産へのシフトは消費者への選択肢を増やすと同時に、消費者の生活パターンをより複雑にしました。このこよによっていまや製品開発では「何を」開発すべきかが明確に見えづらくなってきています。そのような状況下において、いまや「機会発見」という言葉は欠かすことの出来ないキーワードになってきています。

エスノグラフィとは、人類学や社会学の領域で生まれた観察を通じて対象者を理解する手法です。欧米では、学問領域を超えて、産業やマーケティングの現場で活用され始めています。昨今、欧米のマーケティング業界では、仮説検証型の定量的手法に加え、仮説発見型の質的調査手法が注目され始めていますが、エスノグラフィ手法はこれらの質的調査手法の中でも特に注目を集めている手法の一つです。インターナショナル・デザイン・リエゾンセンターでは、このような新商品開発や新規ビジネス機会発見など、機会発見のための質的調査・プランニング手法として欧米各国で注目・実践されているエスノグラフィ(Ethnography)手法についてのセミナーを実施します。

エスノグラフィは少数の対象者を可能な限り深く観察、理解することで新たな市場機会の発見を目指す手法です。そのため、対象者の観察、記録、観察結果の分析、観察結果からの洞察の発見において特殊な技法が必要になります。今回のセミナーは、産業系エスノグラフィにおける第一人者といわれているRich Radka氏をお招きし、エスノグラフィの哲学から、技法、効果についてレクチャーをしていただきます。

既存の調査手法とは異なる生活者理解のアプローチを模索している方、新商品や新規ビジネス開発に携わっている方など、生活者理解を必要とする様々な方にとって非常に有益なセミナーです。是非ともこの機会に一度エスノグラフィを学んでみてはいかがでしょうか。


日程:1月31日(木)10:00 – 17:00

場所:インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター

料金:5,000円

定員:48名(先着順)

プログラム内容:

1. なぜエスノグラフィが必要なのか?

a. エスノグラフィと他手法との違い
b. エスノグラフィのゴールは?

2. 問題設定

a. エスノグラフィ調査のミッションステートメントの作り方
b. ビジネスニーズ、期待される結果、他の調査手法とのマッピング(相関関係)の作り方
c. 調査サイズ

3. リクルーティングとフィールド調査の準備

a. リクルーティングの基準
b. リクルーティングのスクリーニング項目
c. リクルーティングプロセスの管理
d. 事前の調査対象者フォローアップ
e. フィールド調査のプラニング

4. フィールド調査の実施

a. フィールドワークの会話と振り返り法
b. インタビューを始めるに当たって:取り掛かり、形態、調査対象者との関係作り
c. オープンエンド型インタビューの方法
d. コンテキストの観察
e. 記録方法(フィールドノート、写真、ビデオ)

5. シンセシス

a. フィールド記録に基づくインサイトの抽出
b. データの組織化(ノート、写真、ビデオ)
c. データセッション、ブレーンストーミングセッション、問題解決セッションの対比と活用

6. インサイトの伝え方

a. 分析からの大きなストーリーの語り方(フィールドワークに基づく小さなストーリー群と対比して)
b. クライアントへのストーリーの伝え方
c. 行動志向で行こう:翻意、推薦、プライオリティ付け

7. 共通の問題群

a. 量的志向の世界でどう質的なインサイトを売り込むか?
b. クライアントをフィールドにどう誘うか?
c. 「分析の時間がない!」というあなたへ

8. 質疑応答

講師:

Rich Radka(NEST-the home labパートナー)

応用エスノグラフィの国際学会・EPIC(Ethnographic Praxis in Industry Conference)においてプログラムコミッティを、また、ニューヨークのデザインスクールとして著名なParsonsにてDesign Researchの講師を務める、産業系エスノグラフィにおける第一人者。Radka氏が経営に参画するNEST-the home labは、「家」あるいは「家庭」をフィールドワークの現場とし、そこに関連する生活財、サービス、技術等のデザイン/開発におけるコンサルティング業務を手がける。

共催:株式会社博報堂

協賛:社団法人情報処理学会 ユーザスタディフォーラム