IIT×IIT特別セミナー「アジア地域Base of Pyramid(BOP)の不確定性とビジネスモデル」

インターナショナル・デザイン・リエゾンセンターではTOKYO DESIGN DISCUSSION2011のプレイベントとして、IIT(Illinois Institute of Technology×Indian Institutes of Technology)特別セミナーを開催します。

 

昨今、新興国に向けた様々なビジネスが展開されつつある。特に貧困層に向けたビジネスは社会的意義においても注目されつつあると同時に、今後の世界を支える巨大なマーケットになり得る可能性を秘めた市場としても注目されている。ただし、現状においては貧困という問題がボトルネックであり、単純にビジネスを展開することは難しい。本セミナーでは新興国の具体的な例としてインド工科大学のUday Athavankar教授に「ピラミッドの各層によってどのような機会があり、どういうアプローチが可能か」といったインドの分析についてお話しいただくと同時に、BOPプロジェクトを手掛けるイリノイ工科大学の Patrick Whitney教授に「BOPビジネスを志す起業家向けのケーススタディ」や「カトマンズでの医療学校作り支援」など、具体的な事例についてご紹介いただきつつ、今後の考え方・展開方法等についてお話しいただく。

1-BOP and Reversing Innovation Trail(by Prof. Uday Athavankar)

現在国際ビジネスは新興国市場での成長を真剣に狙っているが、失敗例も多く、単純な新興国理解だけではうまくいかない、ということが分かる。
新興国では、工業化が進む前に情報産業が発達した、という特徴があり、物理的なインフラより先にデジタルインフラが整備されることもある。セミナーでは、この新興国特有の現象が、産業やマーケットに及ぼす影響について、ピラミッド構造の各層について洞察を試みる。層によって課題がどう違うかについて解説し、後半ではピラミッドの底辺(BOP)にテーマを絞って議論する。
BOPのカギとなる課題は、低識字率、低購買力、そして居住地からアクセス出来る物理的インフラが不足していることである。これらの悪条件をイノベーションの機会と変えることは可能なのか。もし可能であるとすると、どのような方法があり得るだろうか。


Uday Athavankar(Industrial Design Centre (IDC), Indian Institute of Technology)
イリノイ工科大学インスティテュートオブデザインで建築学を専攻。企業でコンサルティングを行う傍らデザイン教育や研究を行う。現・インド工科大学Industrial Design Centre学科長。フレームワークとして認知理論を使い、認知科学、意味論とデザインの関係に関する研究を行っている。主にメンタルイメージや空間認知、ヴィジュアルシンキングに着目したデザインソリューションを行っている。

2-Design for the unfamiliar(by Prof. Patrick Whitney)

先進国のビジネスリーダー達はかつてない複雑な課題に直面している。市場、製造プロセス、流通チャネル、メディアその他かつては予測可能だったビジネスのあらゆる側面が全て変わってしまったからだ。このような状況下、あいまいな問題に柔軟に取り組む新しい方法として、企業人達はデザインに注目している。
一方、先進国の企業は、ここ10年あまりビジネスを用いてピラミッドの底辺(BOP)を援助する取り組みを考察して来たが、今のところその成果は十分とは言えない。なぜか。企業にとって、BOPマーケット、流通チャネル、人々の日常生活が身近なものでなかった(unfamiliar)ため、「不確定性」と向き合わなければならなかったことが理由のひとつである。この「不確定性」は、企業が自国において直面しているものと実は似ている。
パトリック・ホイットニーは、自国で複雑であいまいな状況に取り組む企業が、デザインという方法を用いることにより、同じセオリーをBOP対策に応用出来ると考えており、本セミナーにて、その方法論を解説する。Godrej & Boyce社(イン ド)のBOP向け冷蔵庫の開発、ネパールにおける医療システムの開発、インドの起業家サポートシステムなどのケースを紹介し、具体的なプロセスについても解説する。


Patrick Whitney(Institute of Design, Illinois Institute of Technology)
Steelcase and Robert C. Pew Professor。イリノイ工科大学インスティテュートオブデザインのディレクター。デザインとビジネス戦略とのリンクやインタラクティブコミュニケーションやプロダクトのデザインメソッドにフォーカスした「テクノロジーイノベーションの起こし方」に関する研究を行っている。Aetna、Texas Instruments、McDonald’s、RTC Industries、Zebra Technologiesなどと共同研究を行っている。

 

日程:1月26日 19:00~21:00
場所:インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター
スピーカー:
Illinois Institute of Technology(イリノイ工科大学) Patrick Whitney教授
Indian Institutes of Technology(インド工科大学) Uday Athavankar教授
定員:40名程度
言語:同時通訳(日⇔英)
キーワード:
新興国、インド、BOP、ピラミッド構造とアプローチ、社会企業
参加費:無料