【あさ活】TOTOギャラリー・間 x 東京ミッドタウン・デザイン部
「大西麻貴 +百田有希 / o+h展 生きた全体 ――A Living Whole」展ギャラリーツアー
「東京ミッドタウン・デザイン部」は、東京ミッドタウン10周年を記念してスタートした、デザインのフィルタを通して、東京ミッドタウンやその周辺を深く知り・楽しむ活動です。
今回は、TOTOが文化活動として運営する建築の専門ギャラリー “TOTOギャラリー・間” にご協力いただき、9/4(水)より開催中の「 大西麻貴+百田有希/ o+h展:生きた全体――A Living Whole」のギャラリーツアーを開催します。
一般開館前の朝の時間帯に、出展作家である大西麻貴さん又は百田有希さんに展覧会を解説いただきます。
詩人のT.S.エリオットは、「今までに書かれたあらゆる詩の生きた全体(a living whole)」が詩の概念だという考えを提示し、現在は過去によって導かれながらも、新しい詩が挿入されることによって過去は変化し、新しい複合体となり、そこに伝統が成立すると説きました。 *1
大西と百田は、建築をつくることは、その建築を含む「生きた全体」を考えることだと言います。彼らが建築をつくるとき、多様な背景や特性をもつ利用者や地域の人々の声、その土地に伝わる物語にまで耳を傾け、人の営みを丁寧に拾い上げながら建築に翻訳してきました。日本建築学会賞(作品)を受賞した児童遊戯施設 「シェルターインクルーシブプレイスコパル 」では、スロープが車椅子を含むすべての人の動線でありながら、 同時に子どもたちの遊び場でもあるように 、一部分だけを取り出すことができない複雑な総体を生み出しています。個々の価値観や機能を出発点に、それらが折り重なり合うことによって誰もが自分の居場所を見つけることができるように、「生きた全体」を考えることとは、各存在のかけがえのなさを大切にし、寛容で多様な社会の理想形を、建築を通して示そうとしていると言い換えられるのではないでしょうか。
展覧会では、彼らの作品や人の営みが織りなす「生きた全体」がどう建築の風景として立ち上がってくるのか、 模型や言葉、インスタレーション等で紹介します。本展を通じて、o+hの眼差しと世界観を体感いただければ 幸いです。(TOTOギャラリー・間ウェブサイトより)
*1 出典: T.S.エリオット著、矢本貞幹訳『文芸批評論』 岩波書店 1938
【お申し込みはこちら】
熊本地震 震災ミュージアム KIOKU(熊本県、 2023 年)
©Takumi Ota
シェルターインクルーシブプレイス コパル(山形県、2022年)
©copal
シェルターインクルーシブプレイス コパル(山形県、2022年)
©copal
Good Job! Center KASHIBA(奈良県、2016年)
©Yuma Harada
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▼ギャラリーツアー開催概要
開催日:2024年11月7日(木)午前 8:00-9:30 (15分前受付開始)
会場:TOTOギャラリー・間 (東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3Fに集合)
参加費:無料
定員:30名 *先着順/定員になり次第締め切らせていただきます。
スケジュール(予定):
8:00〜9:00 大西麻貴さん又は百田有希さんによるツアー
9:00〜9:30 Q&Aや感想のシェア、交流(自由参加・途中退席も可です)
※ホットコーヒーのサービス予定
講師:
©Yurika Kono
左)大西 麻貴(おおにし まき)
1983年生まれ。2006年京都大学卒業。2008年東京大学大学院修士課程修了。2008年〜大西麻貴+百田有希 / o+hを共同主宰。2016年~京都大学非常勤講師、2022年~横浜国立大学大学院 Y-GSA教授。
右)百田 有希(ひゃくだ ゆうき)
1982年生まれ。2006年京都大学卒業。2008年同大学大学院修士課程修了。2008年〜大西麻貴+百田有希 / o+hを共同主宰。2009〜14年伊東豊雄建築設計事務所勤務。2017年~横浜国立大学非常勤講師。
主な作品に「シェルターインクルーシブプレイス コパル」(山形県、2022年)、「 Good Job! Center KASHIBA」(奈良県、 2016年)、「二重螺旋の家」(東京都、 2011年)など。主な受賞に2023年日本建築学会賞(作品)、BCS賞など。
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◎展覧会コンセプト
生きた全体――A Living Whole
ひとつの建築をつくる時、
その建築を含む「生きた全体」をどのように考えられるでしょうか。
営みの全体
建築をつくるという営みは、私たちが生きることそのものです。その場所にふさわしい建築を、人々とともに掘り起こし、考え、つくり、育てていく。私たちは、そうした営みをも含めた全体を、建築だと捉えています。
空間的全体
建築をつくると、その内側にひとつの世界が生まれます。一方で、建築はその外側の世界にとっての一部分です。もしも建築が、内側と外側の世界をつなぐ存在となりえるならば、小さな居場所から大きな環境までを連続的に捉えることができます。建築をつくるとは、スケールを横断して、単体では取り出せないひとつながりの関係性を生み出すことです。
時間的全体
建築は、今目の前にあるものとしてだけではなく、過去、そして未来の建築とともに存在しています。それゆえに、ひとつの建築の中には過去と未来の人々の生が含まれます。建築の材料ひとつにもまた、土地の一部として育まれてきた長い時間が内包されています。そのように、過去、現在、そして未来の人々、さらにはその土地の時間とつながる建築を、私たちは今、どのようにつくることができるでしょうか。
存在のかけがえのなさ
建築を含む「生きた全体」を考える時、私たちは、建築を自然から離れた人工物というよりは、生き物として捉えるところから始めてみたいと思います。人間にコントロールされるものとしてではなく、自立した存在として建築と向き合うことで、その存在を機能や性能で測ることを超え、欠点や未完成な部分も含めて愛しみ、育てていくことができます。建築を生き物と捉える視点は、建築の存在論的意味を問い直す試みです。
ひとつの建築をつくる時、その建築を含む「生きた全体」をどのように考えられるでしょうか。その問いを、多くの人々とともに、考え続けていきたいと思います。
展覧会ポスター
▼展覧会について
https://jp.toto.com/gallerma/ex240904/index.htm
大西麻貴 百田有希 / o+h展 生きた全体 ――A Living Whole
会期:2024年9月4日(水)〜11月24日(日)11:00~18:00
休館日:月曜
※ウェブサイト https://jp.toto.com/gallerma にて最新情報をご確認ください。
入場料:無料
会場:TOTOギャラリー・間 (東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F)
東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口徒歩1分
https://jp.toto.com/gallerma
主催:TOTOギャラリー・間
企画:TOTOギャラリー・間運営委員会
特別顧問=安藤忠雄、委員=貝島桃代/平田晃久/セン・クアン/田根 剛
後援:一般社団法人 東京建築士会/一般社団法人 東京都建築士事務所協会/公益社団法人 日本建築家協会関東甲信越支部/一般社団法人 日本建築学会関東支部